「スーファミの名作シューティング」と言われて思い浮かぶ顔ぶれは、たぶん人によってそう変わりません。この記事はその面白さを採点しません。かわりに、いま遊べる経路/扱う主体が在るか/発売元の資料に残っているか/何度よみがえったか/基本の記録が特定できるか——公表資料から確かめられるものだけを5つの物差しにして、30本のその後を測りました。スーパーファミコン版をいま公式に遊べる形が公表されているのは5本だけで、再配信・復刻の公表が1件も見つからなかったのが20本あります。総合1位はPop'nツインビー。名作として語られ続けている作品が上位に来るとは限りません。順位の低さは「遊んで劣っていた」という意味ではありません——この記事が測っているのは作品の出来ではなく、公表資料の残り方です。中古市場の相場や入手のしやすさは測っていません。
「名作」を一言で決めないために、外から確かめられる5つの物差しに分けて重みを付けて合成しました(total = Σ(軸点×重み)/100)。軸点は編集判断の点数ではなく、公表資料から決めた段(0〜3)の機械変換です(段0=1点/段1=4点/段2=7点/段3=10点)。面白さ・難易度・音楽の良し悪し・レビュー点・売上・知名度・中古の相場は評価軸に含めていません。『いま遊べる経路』をいちばん重くしたのは編集判断で、この記事が測るのは作品のその後であり、いちばん外から検められる形がそれだからです。逆に『基本の記録が特定できるか』をいちばん軽くしました——発売日がもっともはっきりしているのはハイパーゾーンとヨッシーのロードハンティングで、そのどちらも再配信の公表が見つかりません。記録が残っていることは、いま遊べることの証拠になりません。
| 評価軸 | 内容 | 重み |
|---|---|---|
| いま遊べる経路 | スーパーファミコン版を、いま公式に遊べる形が公表されているか(現行のサービス・商品に載っているか) | 24% |
| 扱う主体が在るか | 発売元、または権利を引き継いだ会社が、いまも公表資料で確認できるか | 22% |
| 発売元の資料に残っているか | 発売元・権利者の現行サイトに、この作品のページや年表の項目が残っているか | 20% |
| 何度よみがえったか | スーパーファミコン版の再配信・復刻が、いくつの世代にまたがって公表されているか | 18% |
| 基本の記録が特定できるか | 発売日・発売年が、公表資料の逐語で特定できるか | 16% |
① いま公式に遊べる形が公表されているのは5本、過去には出たが現行の一覧に無いのが5本、再配信・復刻の公表が1件も見つからなかったのが20本。母集団30本の三分の二が後者です。
② 総合1位はPop'nツインビー(9.52)。世代をまたいで配信され続け、発売元の商品ページも残っています。2位はスターフォックス(9.46)、3位はスターフォックス2(8.98)。「名作と呼ばれ続けていること」と「いま残っていること」は別でした。
③ 扱う主体そのものが確認できない作品が8本あります。発売元の法人としての現存を調べたところ、登記が閉じていることを確認できたのが2社、同じ名前の法人が多く同定できなかったのが7社でした。⚠ 倒産と登記の閉鎖は別の制度なので、同定できなかった会社を「消えた」とは書いていません。
④ 発売元の現行サイトに作品の専用ページが残っているのは8本。残っている作品と、名前すら出てこない作品の差は、会社が続いているかどうかだけでは決まりません——発売元がいまも現役でも、現行の商品一覧にその作品が無いことがあります。
⑤ 物差しを『基本の記録が特定できるか』に変えると、王者はスターフォックス(9.74)に替わります。ただし張れるレンズはこの1本だけでした——ほかの4つの物差しでは、いずれも総合1位と同じ作品が首位に立ちます。レンズが少ないこと自体が「上位は複数の物差しで強い」という結果です。
| レンズ | 1位 | 大きく動く対象 | 見え方 |
|---|---|---|---|
| 総合バランス(デフォルト) | Pop'nツインビー 9.52 | スターフォックス(9.46)が続く | 作品のその後を5つの物差しで測る |
| 記録重視で見る | スターフォックス 9.74 | 張れるレンズはこの1本だけ | 発売日を公表資料で特定できるか |
下の組は完全同点です。測った物差しのどれもが同じ段だったという意味で、順位を割るには、この記事が測らないと決めたもの(知名度・人気・中古の相場)を持ち込むしかありません。だから同点のまま、同じ順位番号で出しています。
| 順位 | 総合 | 作品 |
|---|---|---|
| 10位 | 6.22 | ハイパーゾーン/ヨッシーのロードハンティング(完全同点) |
| 14位 | 2.62 | R-TYPE III/ファランクス (ゲーム)(完全同点) |
| 17位 | 1.66 | エリア88 (アーケードゲーム)/スーパーアレスタ/パロディウスだ! 〜神話からお笑いへ〜/リーサルエンフォーサーズ/実況おしゃべりパロディウス/機動装甲ダイオン(完全同点) |
| 23位 | 1.00 | S.T.G/アクロバットミッション/サンダーフォースIII/スーパーSWIV/ソニックウィングス/フライングヒーロー ぶぎゅる〜の大冒険/超時空要塞マクロス スクランブルバルキリー/香港97(完全同点) |
この記事は面白さを測っていません。順位は「遊んで良かった順」ではなく「公表資料の残り方の順」です。中古市場の相場や入手難易度も測っていません。
母集団の作り方。日本語版ウィキペディアのシューティングのカテゴリの木とスーパーファミコン用ソフトのカテゴリの積(50本)、英語版の同種の積(94本)を機械抽出し、両方に載る37本を出発点にしました。そこから境界の規則で外したのが、ラン&ガン・アクションシューティング(魂斗羅スピリッツ・ガンフォース・奇々怪界など)とFPSの移植です。「画面に向かって撃つ」で括るという編集判断で、外した束をここに名指しで書いておきます。
分類の主体は日本語版ウィキペディアのカテゴリに固定しました。それで決まらなかった9本だけ英語版のカテゴリで補い、さらに決まらなかった作品は記事の情報欄の記載で補っています。発売元の自称ジャンルは使っていません——たとえばツインビー レインボーベルアドベンチャーは、発売元自身がアクションゲームと書いていますが、そこだけ主体を変えると規則が「そのつどの好み」に変わるため、規則どおり母集団に残しています。
対象は日本で発売されたスーパーファミコン用ソフトです。国内版が無く海外だけで出た作品(オペレーションサンダーボルト)は外しました。
版を混ぜていません。復刻・再配信として数えたのはスーパーファミコン版のものだけです。アーケード版やメガドライブ版の復刻は、同じ題でも別の版なので数えていません。スペースインベーダーとサンダーフォースIIIは、スーパーファミコン版が別の題で出ており、後者はその題を公表資料で確かめられませんでした。
「無い」を三つに分けています。①調べたが公表が見つからない②到達できなかった③扱う主体そのものが確認できない——カードではこの区別を書き分けました。再配信が無いことは、作品が劣ることを意味しません。権利の事情は外からは見えません。
調べ残しがあります。任天堂の配信記録のデータベースにはWiiのバーチャルコンソールが入っていないため、発売元の公表で補いました。また、再配信が見つからなかった作品のうち5本は復刻レーベル側からの逆引きを行っていません(エリア88・コズモギャング・ザ・ビデオ・フライングヒーロー ぶぎゅる〜の大冒険・ヨッシーのロードハンティング・リーサルエンフォーサーズ)。いずれも発売元の資料と任天堂の記録では見つかりませんでした。なお香港97は、そもそも公式の発売元が存在しない形で世に出た作品なので、この経路が最初から当てはまりません——「手が回らなかった」のとは別の意味です。
配信日の出どころを書き分けています。任天堂のソフト検索の記録にしか無い日付は、読者に見せられる文が取れないため、カードに「任天堂の配信記録による」と添えました。その日付は、取得した記録そのものと機械で突き合わせています。
スーパーファミコン版が別の題で出ている作品があります。スペースインベーダーは、発売元の年表ではスペースインベーダー The Original Gameという題で載っています。サンダーフォースIIIのスーパーファミコン版も別の題で出ていますが、その題を公表資料で確かめられなかったため、本文では題を書いていません。
発売元の帰属が確かめられなかった作品があります。S.T.Gは、アーケード版とスーパーファミコン版で発売元が違うとされる一方、スーパーファミコン版の発売元を裏づける公表資料に行き当たりませんでした。そのため扱う主体は「確認できない」として扱っています(社名を版の区別なしに書くことはしません)。アクロバットミッションも同じ理由で、発売元を特定していません。
会社が消えている作品では、報道を根拠に使った箇所があります。発売元の現行サイトに記録が残っていない場合に限り、発売元・権利者の発表を伝えた報道を根拠にし、その旨を台帳に記録しています(コットン100%の発売元は登記が閉じています)。
公表資料どうしが食い違ったときは、断定していません。コットン100%の発売年は、権利者自身の年表と報道で食い違っており、本文では年を書いていません。
完全同点が4組あります(合計18本)。測った物差しのどれもが同じ段だった、という意味です。順位を割るには、この記事が測らないと決めたものを持ち込むしかないので、同点のまま、同じ順位番号で出しています。詳しくは下の表をご覧ください。